2023/02/20 01:00
【穴があく原因とその対策】
毛製品は強い力が加わると、どうしてもその部分が弱って傷みやすくなります。
特にカシミヤやヤクなどの繊細な素材は要注意です。
・同じ場所に何度も穴があく場合、爪や靴などが当たっている可能性があります。
・靴下であれば、少し大きめのサイズを選んだり、綿やシルクの靴下と重ね履きするのがおすすめです。
また、毛には天然の脂分が含まれるため、軽い汚れはある程度はじいてくれます。
・毎回洗わず、数回に一度のお洗濯で十分です。
・肌に直接触れるものを洗わないのが気になる場合は、薄手の靴下を中に重ね、毛の靴下は時々洗う方法もおすすめです。
※頻繁な洗濯は毛素材を傷める原因になります。逆に言えば、清潔さを保ちつつ洗濯の頻度を減らすことで、毛素材はぐんと長持ちします。また、毛には抗菌消臭作用があるため、個人差はありますがにおいは気になりません。
【虫食いにも注意】
もう一つの穴あき原因が「虫食い」です。
季節の終わりに「まだキレイだから」と洗わずに仕舞って、いざ使おうとしたら穴が…
そんな経験、きっと誰しも一度はあるのではないでしょうか。
・虫は皮脂・食べこぼし・汗などの汚れに反応します。
・一度しか着ていなくても、シーズン後は必ず洗い、防虫剤と一緒に保管することで安心です。

【もし穴があいてしまったら?】
そんな時に活躍するのが、「ダーニング」というお直しの技法です。
・規則正しく刺してもOK
・自由にランダムに刺してもOK
・目立たない糸でそっと補修してもよし
・カラフルな糸で“景色”のようにしても楽しい
たとえば、器の「金継ぎ」のように、補修箇所が魅力に変わるのがダーニングの醍醐味です。
補強以上に、「愛着」が生まれるのも魅力のひとつです。
【道具と糸について】
下の画像に登場する木製きのこ型の道具は「ダーニングマッシュルーム/ダーニングきのこ」と呼ばれるものです。
・補修したいニットをかぶせ、下をゴムなどで留めて安定させ、上から糸を刺します。
・この道具があると便利ですが、電球・木のおもちゃ・小さなボールなどで代用することも可能です。

「ちょっと面倒かな…」と思われるかもしれませんが、お気に入りが手間をかけて生まれ変わる喜びはひとしおです。
※「ダーニング」で検索すると、たくさんの素敵な補修例やアイデアが見つかります。
※上2つの画像はソウマノリコ©さん(webshop主催「穴繕いワークショップ」でレクチャーする人)よりお借りしました。
【番外編:リメイクという楽しみ方も】
たとえば、穴のあいた靴下やレッグウォーマーを使った「リサイクルくまちゃん」も人気のアイデア。


【動画で学ぶ:ダリによるダーニング紹介】
「空飛ぶ羊」代表ダリによる動画もぜひご覧ください。
▶YouTube:かんたん&丈夫なダーニング方法